何も好きなものがないという苦痛と、なんとなく付き合う。
好きなものは何ですか?
と聞かれて、答えられる人が羨ましい。
そんなことを最近よく考えています。
ボクはせっかくイギリスまで来たというのに、お金を稼ぐことに捉われ、特に趣味もありません。
同僚はビートルズやクイーンが好きで、連休を取って、彼らにまつわる場所に足を運んでいます。
また、元々バレエをやっていた同僚はコンテンポラリーダンスを勉強しに行っています。
旅行が好きすぎて、有給(28日間)を半年で使い切った先輩もいます。
あとはイギリスで彼女が出来たから、一緒に住んでいる人もいるなぁ。
ボクも観劇に行きたいけど、そこまで強い思いはないのかも。
観劇で受ける感動と、多くの知らない人と同じ場所に閉じ込められることを天秤にかけると、後者の方が強くて、まだ踏み切れていません。
父は昔から大酒飲みで、ヘビースモーカー。
母は洋服が大好きで、大金をつぎ込んでいます。
妹はインディーズバンド好きで、毎週のようにライブに行っています。
母と妹は、ディズニーが好きで、年に4回ほど足を運んでいます。
そんな中、ボク一人。
これと言って、趣味がありません。
その理由は、趣味全開の家族のせいで火の車状態の家計を幼い頃から見てきたからです。
だから、ボクは何かに金をつぎ込むことは馬鹿らしいと思っています。
何かに執着があれば、もう少し働く目的も見つけられただろうに。
生きていく希望と、そのために働く意欲もあっただろうに。
人間いつか死ぬのなら、生まれてこなければよかった。
誰にも愛されない世界で、何も必要としないで、生きている意味なんてあるのだろうか。