青春なんて、くそくらえ! 『蹴りたい背中』読んでみた。
自宅の本棚で埃をかぶっていた
一冊の本を拾い上げたら
当時、最年少芥川賞受賞作と話題になった
『蹴りたい背中』だった。
表紙絵とのギャップ
表紙絵から推測すると
確実に、青春もの
女子高生が、好きな男の子に思いを伝えられない
甘酸っぱい話のようなイメージを持つ。
少女漫画の小説版かと。
そんなことはなかった
そんな作品が芥川賞をとるわけなかった
一言でいうと、気持ち悪い。
クラスで、はみ出している
自意識過剰で、独りよがりな女の子と
ある芸能人が好きすぎる男の子が
仲良くなるとかなんとかって話だけど
登場人物が気持ち悪い。
僕は、ただ そう感じた。
そして、ある意味、うらやましかった。
うらやましいと思った。
でも、そんな奴いたかも。
クラスに絶対一人くらいは、いた。
たぶんヒロイン役のハツは
高校時代の僕に似ている。
僕と、クラスメイトの女子を掛け合わせた感じ。
男の子のほうも、なんとなく
クラスにいた誰かを彷彿とさせる
……気がする。
完全な共感を得ることはできないけれど
「あ、わかる」と「これは気持ち悪い」を繰り返して
読了後、よくわからない感情に
この作品の余韻に浸って
高校生活を思い出してみるのも悪くない。