突然「あなたの殺人の話、聞かせてちょうだい」と言われたら……
現実に、そんなことを何の臆面もなく、聞いてくる人などいるだろうか。
冗談でも、そんなこと簡単には口にできないだろう。
そして、ボクがもし聞かれたならば……どう思うのか?
小説を読みながら、そんな想像をしていた。
見た目子供向けっぽいけど、中身は大人が読んでも面白い内容でした。
あさのあつこさんの作品と言えば、高校時代
何故か不良分子だったボクと仲の良かった優等生(国立の教育学部に進学した子)が
あさのあつこさんにハマっていて『バッテリー 』を読んでいた記憶がある。
ボクは、あまのじゃくをこじらせた、スーパーあまのじゃく野郎なので
流行っている、誰かがハマっている、という作品は読まなかった。
正直、今も有名な文学賞を獲りました! なんて言葉では本を読まない。
ただ、そのタイトルに、あらすじに、少しだけ読んだプロローグに
何かしらの魅力を感じて、読み進めることが多い。
だから、この本も、あさのあつこさんの本が読みたいと思って、読んだわけじゃない。
(よく分からない、あまのじゃくアピールであるw)
このお話は、表紙を見たら、察しが付くかもしれませんが
ハウスキーパーさんと、訪れたおうちでの不思議なお話。
Team・HKという会社のメンバーが、超人気作家の家の掃除で突如、問われた
「あなたの、殺人の話、全部、聞かせてちょうだいな」
なんだか昔、近所であった失踪事件が殺人事件なんじゃないかと疑い始めた。
そんな矢先、その失踪事件のあったご近所さんにハウスキーパーとして呼ばれる。
なんだか不思議な展開と言いますか、なんと言いますか……
何やら答えの出ない推理ゲームのような釈然としない終わり方でしたが
とりあえず殺人事件ではありませんでした。
誰も殺されてない、誰も殺してない。
ただの思い出に浸るだけの、誰も傷つかないお話。
たまには、こういうのもいいんじゃないかと、アラサーになって思う。