もしペンギンに会えるローカル電車があったとしたら。。。
きっと観光客が増えて、ペンギンは消耗されて、衰弱してしまう気がする。
そんな社会から離れている、どこかに本当にあるかもしれないペンギン鉄道。
実はこちら2作目なのですが、1作目は装丁のペンギンに惹かれて、読みました。
読みやすい語り口と、忘れ物を巡る魅力的な物語が好きになりました。
本を読むのが苦手な人にも読みやすい作品になっています。
よろしければ、秋の夜長に1作目より読み進めてみてください。
電車の中に忘れ物をしたことはありますか?
ボクは以前、スマホを忘れたことがあります。
幸いにも、すぐに見つかり、自転車で15分ほどの場所まで取りに行きました。
話は少し変わるのですが、先日、近所の複合スーパーみたいなところで
電車の中での忘れ物を売っていました。
圧倒的に多いのは傘や日傘。
それからカバンやスーツケース、そして上着や靴。
もし、なくしたとしても大切じゃなければ、置き去りにされ、他の誰かのものになります。
ということは、わざわざ受け取りに行くのは、本当に大切なものだけなのかも。
ペンギンとか?
なくしものにまつわる短編が詰め込まれているだけの前作とは異なり
今作では、ところどころに赤いモヒカンの男が現れ
最終章で、その伏線を綺麗に回収してくれているのも読みごたえがありました。
1つ目のお話の女子高校生のように、ボクも自分は1人だと思い込んでいるし
きっと、この先もその考え方は変わらないと思うのですが
この作品を読んで、家族の絆を感じられたような気がします。
他の誰かに傷つけられても、絶対に味方でいてくれるのが家族。
30代半ばのボクが読むには、少し子ども向けかなと思う部分もありましたが
心が癒される一冊でした。
毎日、忙殺されて、心が消耗されてしまった大人たちにこそ必要な一冊かも。