その舞台に立つために、彼女はここで頑張り続ける。
本屋さんで、この本を見かけた瞬間に、引き寄せられるように
手を伸ばして、これは買うしかないと感じました。
淡島歌劇学校合宿所―通称、”寄宿舎”での少女たちのお話。
ボクは、この表紙に一目ぼれした。
第2話に出てくる上田良子さんというのは『青い花』に出ていた子で
ボクはハッとしてしまいました。
図書部に所属していたのに、主人公たちに巻き込まれて
高校2年生のとき『鹿鳴館』で、男役を演じていた上田良子さんです。
主人公の奥平あきらちゃんのクラスメイトの子です。
元々演劇を目指すような子だったなら、そりゃ演技も上手いはずだ!
と、ここでようやく納得しました(笑)
この本の中では、オムニバス形式で、寄宿舎の過去と現在が描かれているのですが
その一つ一つが少しずつ関わりあっているのが、偶然って不思議だなと。
(マンガの設定なんで、偶然じゃなくて、伏線なんですけどね……)
個人的には、第5話の淡島観劇が好きな男子高校生、拓人くんのお話が好きです。
ボクは男性ではないけれど、自分では手の届かない場所にあるという点では
同じ立場ではないかなと思って、感情移入しやすい存在なので。
キラキラしていて どこかはかなげで きれいなものたち… 大好き!
という拓人くんの気持ちは、本当によく分かって
あーだから、女性アイドルって、愛されるのかなぁ。
なんて、にわか乃木坂46オタ風の人が思ってみたりもするのですが。
少女は少女のままではないし、少年も少年のままでもないし
アイドルもオバサンになるし、ジャニーズもオジサンになるし
だから、少女という短い時期のキラキラとした、はかない姿を
ボクたちは追い求めるんじゃないのかな。
ボクたちはもう二度と戻ることのできない青春みたいなものを
彼女たちを見つめることで、一緒に体験できる気がするんじゃないのかな。
正直、彼女たちを見た後で、ちょっと空しくなるのも事実なんだけど。
だから、ずっと聞いちゃうし、ずっと見ちゃうんだろうな。
中毒性が高いというよりも、ボクが戻りたいという気持ちが強いのかもしれない。
そういえば、3話で広島弁が出てくるのが、広島人としては嬉しいです。
関西弁とかは結構、どこかで取り上げられることが多いけど
広島弁って、なかなか文字にするのも難しいし
文字にしちゃうと、読み方も難しいんだけど、でも広島弁が出てくるのは
本当に、嬉しいんですよねー。
もっと広島弁、流行ればいいのになぁ。