こんな自分が一番嫌いだった。だから私は旅に出ることにした。
裏表紙に書かれた、この言葉に魅かれて、手に取った『さようなら、私』
ボクも旅に出た。
ワーキングホリデーで1年間カナダに行った。
本当に何もかも嫌になったからだった。
ボクは実家に住んでいて、正社員として働いていたこともあった。
ニートだった時もあったし、バイトしてた時もあった。
でも、いつも心にもやもやとしたものが漂っていた。
なんでボクこんなことしてるんだろう
正直、毎日のように死にたいと思っていた。
自分が生きている意味も、自分がやりたいことも、何も見いだせない。
なんで、こんなことをしているんだろうと、いつも思っていた。
会社員時代にはノイローゼ気味になったこともあった。
通勤途中の信号待ちで、4トントラックの前に飛び出そうと思ったこともあった。
それでも、死ななかった。
それはまだ自分に希望を持っていたからだし、変わりたいと思っていたから。
カナダに1年間いて、何か変わったかと言われれば、変わってない。
カナダにいても、なんでボクこんなことしてるんだろうと思うことはあったし。
でも、もしカナダに行かなければ、それも分からなかった。
周りにいる誰かのせいで、仕事のせいで、変わらない日常のせいで、苦しいんだと。
いつまでもボクはそういう風に言い訳をして生きていたと思う。
正直、カナダで1年間働いて、日本で働いていた時よりも楽だったのは確かだけど。
カナダに行ったから、自分の思い通りの生活をできるわけではないと感じた。
楽なことがあれば、不便なこともある。
不便だなって思うこともあるけど、なんとなく慣れている自分もいた。
今までの自分という他人から見た固定概念のようなものを脱ぐことができた。
それがボクにとって、カナダで見つけた探し物だったのかもしれない。
すごく誰かと仲良くなれたわけでもないし、英語が上達したわけでもない。
ただ自分の気分で山に登ったり、散歩をしたり、カフェに入ったりした。
自分が知らない世界に飛び込むのって、すごく怖い。
海外で住むとか暮らすとかに限らず、新しい職場とか学校とか、旅行に行くのだって。
それでも、きっと飛び込まなければ見えないものがあると思う。
飛び込んでみていいこともあれば、悪いこともある。
どれだけ自分が恵まれていたのかと感じることもあるだろうし。
だから、今と違う場所に身を置いてみればいいとボクは言うけれど、そんなに簡単なことじゃないらしい。
僕みたいに、ふらふらと何も考えずに生きている人間と違って、普通の人には難しいらしい。
それなら、それでも知らないよりは知っているほうがいいんじゃないかと思う。
ということで、自分の知らない世界を見るために、この本をオススメしてみるわけです。