おとこのこがおんなのこになって、おんなのこがおとこのこになって。
世紀末。
ノストラダムスの大予言。
ボクがちょうど小学校を卒業する年、
世界は2000年を迎えた。
世紀末に、世界が滅びるなんて言ってたけど、何も起こらなかった。
システム的なものは大変だったみたいだけど
小学生から中学生にジョブチェンジしたばかりのバカには
(バカなのは今でも変わらないけれど)
そんなのは知ったこっちゃない。
仮想の話、あのとき何かが変わっていたら
ボクの人生は今、違っていただろうか。
この本を読みながら、そんなことを妄想した。
世紀末に、男の子が女の子に、女の子が男の子になる話。
普通は、そんなの受け入れられないだろうけど
ボクは男の子になりたい女の子だったから
(「おかあさんといっしょ」で見たな、こんなフレーズ)
もし、変われたとしたら嬉しいかもしれない。
……でも、今まで男の子だった子が女の子になるってことは
ボクは女子校に通ってたけど、男子校になってたのか。。。
なんて考えると、ちょっと面白い(笑)
志村貴子さんの描くお話は、マイノリティっぽい話が多くて
このマンガの中にも、後半オカマさんのお話と
家庭教師の女性が好きな女子高生の話が載っていて
そこには、いやらしさはみじんも感じられなくて
ただ、自分が自分でいていいのだと教えてくれてる気がする。
ボクは30歳を目前にして、子どものままで
そのままでいいと言われることもあるけれど
権利だけを主張して、義務を果たさずに
ボクの人生を、誰かに押し付けている。
綺麗な恋愛に焦がれるボクは愚かでしょうか。
恋愛をしない選択をするボクは、世間知らずでしょうか。
現状が嫌だからと、海外に逃げるボクは考えなしでしょうか。
最後に載っている書きおろしの「sweet16」という作品の表札が
万城目(まんじょうめ)さんで、『青い花 』のヒロインも万城目さんで
志村貴子さんは、万城目さんって苗字が好きなんだなって思いました。
ボクの中で、万城目さんというと、『青い花 』の万城目ふみちゃんなので
他の人が住んでると、不思議な感覚。