あたしの最愛の人の最愛の人が逝きました
こんなタイトルを付けましたが、哀しい物語を書くわけでもなく
ただ純粋に最愛の人って誰だろう、と考えてみる。
優柔不断で、色んな女の子に愛想を振りまいて
最愛とか、この人だけとか、一番とか考えたことない。
というか、一人だけ選んでしまったら
その人を失ったとき、どうすればいいのか分からないから
誰か一人に決めかねて、悩んでいる顔をしている。
あと、鈍感すぎて、誰かに好かれてるのに気づきません。
好きかもしれない、という自分の気持ちにも鈍感です。
こんなんで生きてるから、大人になりきれてないのか?
でも、一人を選ばないで、みんなに愛を振りまくことで結局
誰でもない自分を孤独にするだけの末路しか待ってない気もする。
さてっと、今回は20年間も一人の男性に片想いしていて
何回告白されても振られてるのに、諦めきれないで
その人が結婚しても、子どもが生まれても片想い。
そんな忠実(まめ)ちゃんのお話。
ボクの高校時代のあだ名も(小さいという理由だけで)”まめ”だったので
思わず読み始めてしまいました。
最愛の人の最愛の人。
まめちゃんの想い人である聡太くんの妻、春さん。
彼女が亡くなって、1年。
聡太くんと春さんの娘、優ちゃんにも慕われている。
一途な恋は叶うのか?
あれは恋をした人の手だと思っていて
あたしは たぶん 恋する聡ちゃんに 恋をしました
まめちゃんが、聡太くんを好きになったのは
まめちゃんのお姉ちゃん、由芽ちゃんが倒れて、病院に運ばれたとき。
今ではアマゾンを飛び回る由芽ちゃん。
ずっと家に居続ける、まめちゃん。
春さんの夢だった居心地のいい喫茶店を開いた聡太くん。
聡太くんの弟で、見た目と裏腹に優しい駿くん。
お寺の子で、チャラチャラした恭一くん。
何だ、この幼馴染で、くっついていく展開を期待してしまうメンツは!
同級生も結婚していく中で、自分だけ立ち止まっているという焦り
自分の愛する人は、自分ではなく、お姉ちゃんが好きで
お姉ちゃんが遠くに行ってからは、春さんが好きで
自分の気持ちが届くことなんてないのに、好きは止められない。
30歳を目前に控えて、隙が止まらないという気持ちなんて味わったことないボク。
好きで好きで、好きすぎて理由なんてなくて
ただアナタがいればいいなんて、そんな想いはしたこともないなぁ。
惚れっぽくて、気が多いのかもしれない。
確かに、学生時代、好きな女の子に会えるのは嬉しかったけど
好きな女の子が一人じゃなくて、好きだからと言って近づこうとしないで
ただ見てるだけで良かった。
意気地なし、なんだ。
近づかないことで、自分が傷つかないように
彼女たちを傷つけてしまって、後悔しないように
痛みを避けて、悲しみを避けて、苦しみを避けていたら
つまらない人間になってしまった。
だから、正直まめちゃんが羨ましいのだ。