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「大丈夫、今のままでいいよ」って思える空間にしたい。

投稿者: mameblack 投稿日:


読書好きのボク、日下部が読んだ本をサクッと紹介していきます。

がんばる人を癒してくれる、店主とこつまみたち

舞台は、福岡にある路地裏にひっそりとたたずむ不思議な小料理屋さん。

がんばってるけど、うまくいかない人たちが呼ばれたように集まる、そんな場所。

こだわりの飲み物と、季節に合わせた小さなおつまみ「こつまみ」

それから少し眠たそうな、穏やかな店主が出迎えてくれる。

おすすめポイント

まずは、とにかく料理が美味しそうなところ。

作者の標野さんは実際に都内でカフェを経営している方。

舞台になった福岡でもカフェを開業していたご経験がある方です。

そりゃ現役のカフェ店長さんが書いてるんだから、美味しそうなのは当たり前。

かつ巻末にはいくつかの料理のレシピも載っています。

ボクはそら豆の春巻き、とうもろこしだけの天ぷらは作る予定です。

あとのメニューも簡単そうなので、材料が手に入れば作ってみたい。

 

それから、いろんな境遇の人たちが出てくるところ。

小説は大体、主人公視点で、まるで独り言を話すように進んでいく一人称か

もしくは登場人物ではない、ナレーションのような人が説明していく三人称か

そのどちらかの書き方で書かれていて、どちらにも善し悪しがあるのですが

この作品は各章ごとに主人公が変わっていき、全員が関わっているという書き方です。

だから別の章で同じ場面が出てきても、それぞれ感じ方や見方が違うわけで

そういうところも面白いなと思いました。

同じ空間で同じ話を聞いていても、立場が違うと、感じ方が違うなんて当たり前のことを

小説を通して、改めて認識させられたような気がします。

好きな場面

変わらなきゃ、こんな自分じゃダメだ、と気負っている心に、
「大丈夫、今のままでいいよ」と伝えられる場所でありたいと。

 

今、仕事を頑張っているわけでもなく、成長できている実感もなく

プログラマとしての仕事よりは、雑用をさせられることの多い境遇に

なんとなく違和感を感じていた自分が、欲しかった言葉をもらえた気がしました。

まぁ違和感は解消していかないといけないんですけどね。

ご時世もあるし、元々外食が好きな方でもないけれど

こんなお店ならば、フラッと立ち寄って、誰かと会話して帰りたいなと

そんなことを思える作品でした。


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