誰かの家を覗くという背徳感に、ボクはゾクゾクしていた。
タイトルから漂う不審者感が半端ないですが
不審者のお話ではありません。
ボクの家は共働きだったのと、両親ともに友達を家に呼ぶ文化がなかったので
ボクの家には、友達を呼んだことはありません。
そうなると、友達の家で遊ぶのが主流になってくるわけで
(特に、女の子と遊ぶことの多かった小学校4年生くらいまでは)
自分の家ではない、誰かの家に入ることに当時はドキドキしていました。
今でも、誰かの家にお邪魔するというのは
それが実家であれ、一人暮らしであれ、ドキドキします。
その家の雰囲気、その家の匂い、そこから見える生活感
ボクを家に呼んでくれた人は、何の気なしに呼んでくれているわけだけど
ボクだったら、隠してる何かを、ボクの癖を、ボクの無自覚な部分を
家に呼んだ人に見られそうで、緊張する。
だから、ボクは誰かの家に呼ばれると、テリトリーに入る感覚に
ドキドキと、ゾクゾクするくらいの背徳感に襲われる。
とりあえず、ボクのことは家に呼ばない方がよさそうですね。
気持ち悪いタイプの人種です、ただの変態。
これでこそ、プロのぼっちというわけです。
だから、他の人の生活を見れるので、この本はボクに向いている。
作者のねむようこさんも、こんな変態が読むなんて想像してもいなかったでしょう。
まぁ別に、誰かの家を覗きたい衝動で、たまらない程じゃなくて
友達のテリトリーに入れるのが、嬉しいというか何といいますか
でも、大学時代の友達の家には、別に興味もなかったし
ボクは実家から片道2時間程度だったので
飲み会からのカラオケオール明けの、友達の家で仮眠とらせてもらって
大学に行ったり、家に帰ったりというのを何度か経験しましたが
一人暮らしのワンルームには、あんまり緊張しなかった。
何の話なんですかね。
いつもマンガを読んでいると、この章が特別(*’ω’*)
というのが、バッチリ決まってしまうのですが
(恋愛ものなんかだと、特に好き嫌いが分かれやすいですからね……)
このマンガに関しては、色んな人の日常を切り取っているので
どれもこれも特徴的で、独創的で、面白いので
「コレだ!」というのは選べないんですが
『押し入れのたましい』というのが、けっこう好きかな?
ボクは小さい頃から狭いところが好きで
ボクの家の押し入れは、驚くほどに詰まっているから入れないけれど
田舎の祖父母の家の押し入れや修学旅行で泊まった宿の押し入れに
吸いこまれるように入ってしまって
夕食の時間や何かの集合時間まで、暗闇の中で想像する、妄想する。
たとえば、ボクが大人になったら、どんな人間になるか
せっかくの修学旅行だから、気になる子と仲良くなる方法を考えたり
明日行く場所で、どうやって楽しむか考えたり
みんながボクの存在を忘れて、盛り上がってるのを聴きながら
ボクだけの時間を、ボクだけの暗闇で、楽しむのが好きだった。
そう、だからボクは今もぼっちなんです。
プロのぼっちを名乗るくらいに、ぼっちで
ぼっちでいるのが大好きで、なかなか周りに馴染めない。